「散歩の話」

少し散歩をしようかと言っても
あなたは泣きやんだりしない
口を子供みたいに曲げて
なにかに必死に耐えているみたい

泣きじゃくるあなたの横で
僕は言葉を探していたのに
すっと鼻で息を吸って
「うん」と言って歩き出した

まだ泣いてるくせに
どうしてそんなに強がるのかな
弱くてもいいんだよって
僕は思ってた

少し景色でも見たらと言っても
あなたは背中にもたれてる
「悲しいかもしれない」と言うから
「そっかそっか」とゆっくり歩く

泣きじゃくるあなたの前で
僕は歩くことに集中していて
あなたが小さな声で言った
「ありがとう」を聞き逃しそうになった

まだ泣いてるくせに
どうしてそんなに強いんだろう
弱くてもいいって言えるくらい
強くならなきゃ

不完全な僕たちは
ふたりでもきっと不完全だけど
あなたがいるから大丈夫
絶対に大丈夫だよ

まだ泣いてるくせに
どうしてそんなに強いんだろう
つられて泣いた僕に気付いて
背中にいたあなたが前に立った
僕の涙を拭くためだった

僕だって負けていたくはなくて
ここぞとばかりに手を差し伸べて
あなたと涙を同時に拭いて
あなたと少し同時に笑った
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by yasuharakenta | 2012-03-11 04:27 | 詩、歌詞