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制作秘話と解説 1-100


このどっちもいいよというブログには
制作秘話と解説」というこっそり人気のコーナーがありました。
ブログは更新すればするほど、前の詩がどんどん後ろへ行ってしまいます。
その詩にライトを当てるような気持ちで始めたコーナーです。

今は毎日詩を書いているので、新しい解説は書かないつもりでいました。
5篇1解説でやっていたのですが、それでは1週間分にもなりません。
前のを振り返るより、見たことない詩が出てくる方に興味が移っていました。

けれど当時書きためていた原稿と読みたいという声もあるので、
そういうのを一気に消化しようと思います。

それでは張り切って、どうぞ!
(張り切るのは俺でした!)





2011年7月


1. 朝に汽車
この詩が生まれたのをきっかけにどっちもいいよはスタートしました。
今読んでも素晴らしい出来です。

2. メモ帳
今日マチ子さんが身近な文房具を題材に絵を描いていたのを真似ました。
まだ上手くないですが、ダブルミーニングなど工夫の色が見えます。

3. はんそく
韻、をかなり意識して書いた詩です。単語を並べてパズルのように書きました。
ジョン・レノン・ミュージアムで見たメモに似たような試行錯誤があってうれしかったです。

4. キス
当時も(まだ4編目なのに)こういうのを書いたのが結構恥ずかしかったのですが、
今読むとまた別の意味で恥ずかしいです。


2011年8月


5. 色色
この詩なんでしょうね。すごく好きですね。
文字の並びががたがたですけど、なんかそこも好きです。

6. 昨日買った靴で
方法論を分かっているけど、この詩は絶対もっとうまく書けたはずです。
「私が愛している世界はまだほんの少しだけだったと言った」はすごくいい。

7. no change world
最初の1行で未来へぶっ飛ぶ感じがすごいです。
未来形現在形何度も書き直しましたが、このバージョンがこの頃のベストでした。

8. セーブ
この詩はすごく好きです。が、時代的にもう少し前に存在したかったですね。
かなしみのテーマが、どうやら多いです。

9. 表にださない
これはアイディアがものすごくよかった。
だからもっと内容を練るべきでした。アイディアで浮かれてたのかな。

10. 作用
ノートに詩を書いてた頃があって、この詩はその頃の書き方です。
わかりにくいですねー。タイトルはすごくいいのに。

11. eggs
今読むとちょっと気恥ずかしいです。
確立していない書き方で、セロファンほどの薄さで模倣してる感じが。

12. 夜中通信
不意に連続で4編書いたうちの4編目です。
この詩のことは夜赤信号渡るときに今でも思い出します。


2011年9月


13. ドライブ
行き当たりばったり感と穏やかさというのは、僕の詩の特徴かもしれません。
なんて、久しぶりにこの詩を読んで考えました。この頃は意図的ですね。

14. 冬休みになったら
この詩は絶対「冬休みになったら」で1行の方がよかったんですよねー。
当時も気付いてたのになー。惜しい。

15. 無題
ノートの頃はいわゆる「作詞」的な書き方でした。
この頃は(今日マチ子さんの影響もあって)「詩」として書けるようになりたかったんですね。

16. 終わりに
夜、窓から少し乗り出して星を見ていたときに思いついた詩です。
今よりもそれを形にする力がなくて、後に書きなおしをしています。最後良い。

17.
「偽物だとしても美しいから上手に騙されてあげたい」というのはかなり上手く書けたと思っています。
ただ、今読むと当時の自分の心境を探ってしまいそうになりますね。

18. 夜の通信
この詩はメモみたいな、ばらつきのある詩なんですが、無駄にバランスがいいです。
悩んでる人からの通信に対して「受け取ってくれてありがとう」というのが素敵です。

19. ピアノ
この頃の総まとめのような詩です。今見ても上手い。
感情の出しどころというか、ひき算が少しずつできてきたのかもしれません。


2011年10月


20. 優しさ
すべて変換したら、結果的に全部ひらがなになりました。
今もひらがな詩は書きますけど、こんなふうにはなりません。
(朝に汽車のあのごたごたな感じを、再現してみたかったのかなあ。わかりません)

21. 心に言葉を
自分の中では、この詩から第二期が始まったような感覚がありました。
短いのを丁寧に書いてたらいつか長いのが書けるはずと思っていたら、本当に書けたんです。

22. 透明
この詩も長くて、ちょっと硬めの詩です。前後合わせて三部作のようなイメージでした。
当時の自分の心境を明らかに反映してるのですが、今もそんなに状況変わってないのにな。

23. マボロシの夜
最初の評価では透明の方がよかったのですが、この詩は後の評価がものすごく上がりました。
たまにこの詩のテクニックを自分で模倣したりしていました。


2011年11月


24. TIMELIGHT
長い詩が書けるようになったあとにポッと生まれた変な詩です。
パンクロックのイメージが強くあります。

25. いないと
トイレでぱっと浮かんだ詩です。
タイトルもいい。

26. 世界中が知ってても
木村智穂展の、小さな部屋の奥に飾られていた同タイトルの絵に向けて書きました。
誰かの為に書くってこういうことか、と思いました。


2011年12月


27. 46
世界中が知っててもが当時の自分にとってあまりにうまく書けたので弱スランプに。
だけど大切な友人と偶然月食を見たら、次の日にするっと書けました。

28. ライト
若干くだけた感じのこういう詩でさえ、あれ少しうまくなってるなという感覚がありました。
タイトルは何度も何度も変えました。
当時は今と違って毎日書いてなかったのもあって後日編集も時々ありました。


2012年1月


29. 先手
すごく短い詩です。しばらく自分のプロフィール欄とかに書いていましたね。
素敵な手紙をもらって、はっとして書きました。

30. 極限値
この頃は悲しい詩は書かないってなんとなく決めていたんです(悲しい詩を書くのは簡単だから)。
だけどこれは珍しく、悲しい視点からの詩です。

31. フリーパス
3つの詩をごちゃ混ぜにした、なんだか静かな映画のような詩。
そのうちのひとつが、当時まだ公開していなかったファニー・ファニーです。
悲しみは視点を変えると色が全く変わりますね。

32. 色彩
この頃の自分の考えを、それ以上の言葉の並びで表現できた詩です。
良くも悪くも、もう書けません。


2012年2月


33. 4次元の郵便
漢字が多めで、硬めの詩です。
だけど最後のメッセージで、その為の硬さだったのかと気付かされました。

34. spring
眠くて眠くてどうしようもないときに思いついてパパパっと携帯にメモをしました。
眠かったせいか、無駄の少ないいい詩なんですよね。元タイトルは「you」です。

35. しろいろの虹
この詩は今まで感想を言わなかった人数人に良いと言われるくらい評判のいい詩でした。
言ってしまえば全部嘘をついているのですが、なんなんですかねこの感じ。


2012年3月


36. 散歩の話
この詩は大震災のちょうど1年後に書いた詩です。珍しくタイトル先です。
強くて弱いふたりの話。後ろにもたれかかられるのとか、何度もイメージしました。

37. 散歩の話 第二話
連作にするつもりはなかったのですが、2週間くらい経ってから自然と続きが生まれました。
第二話は前の詩で泣いてた人目線の詩です。

38. 散歩の話 第三話
交代で話者が変わります。
作詞的じゃなくて詩的に書こうとしてたのが、ここで生かされています。

39. 散歩の話 第四話
連(詩のまとまりのこと)の行数なんかにもかなり気を使って書いていました。
そのあたりのことは元々の制作秘話と解説に詳しく書いています。

40. 散歩の話 第五話
物語の動く第五話。
一番ぐさっとくる書き方を考えていたんじゃないかな。

41. 散歩の話 第六話
泣いてた人の、感情がばーっと出る第六話です。
泣いてるのに、という裏設定を制作秘話と解説の続きに書いています。


2012年4月


42. 散歩の話 第七話
ほぼ毎日書いてた散歩の話は、第六話のあと少し間をあけます。
泣いた人をどうやったら救えるか、僕も本気で悩んでしまったんです。

43. 散歩の話 第八話
やっと少しずつ落ちつきを取り戻していきます。
愛とユーモア。言葉が少なくなるのは、うまいですね。

44. 散歩の話 第九話
別々のふたりなのに、少し前から行数がシンクロしています。
ここは(思いつきというよりは)自然とそうなっていきました。

45. 散歩の話 最終話
書き終わるのが嫌だったくらい、登場人物に愛着が湧いていました。
詩の世界では登場人物に名前を付けないんですよね。
便宜上の呼び方しかできなかったことが、結構悲しかったです。

46. 忘れる
マボロシの夜を模倣した詩のひとつですね。
大作の後だったので、この詩ひとつでもたちうち出来るくらい綺麗に書こうと思っていました。

47. 通じない通訳
やっぱり、散歩の話を終えてグッとレベルが上がった感じがあります。
この詩も、がたついてはいるけど、今でも書きそうな詩です。

48.
標準装備っていう言葉をいつか使ってやろうと思っていて未だに使えていないんですけど、
ここで出てくる恒温動物という単語はそれに似た響きがあります。

49.
これたぶん人気のある詩だったんじゃないかな。
元々は2、1、4、3連という順番でした。

50. 意味探索の打ち切り
封印してた作詞的な方法論での詩ですが、明らかに上手くなってますね。
言葉のチョイス、語感、リズム、成長した実感がありました。

51. 決定事項は変更可能
ノートの頃にずっと大切にしていた詩です。
意味探索の打ち切りでこの言葉が出てきたので載せました。
いつかノートから載せようと思っていたけど、結局この詩だけです。


2012年5月


52. 再生
朝に汽車という詩に並ぶ詩がやっと書けた、という気持ちでした。
この詩の2・3・2のフォーマットはこの後何度も出てきます。(自分の発明。うれしかった!)
Youtube

53.
これもトイレで浮かんだんじゃないかな。
今までに書いたことのないパターンの詩なのに、イメージがしっかりありました。

54. HAND
大切な人に届けたかったので、再生のフォーマットを使用しました。
「ひいき」とか「天然」という言葉を使えたのがうれしかったですね。

55. 誰にも似ていない私
「誰にも似ていない私、洋服を着ている」というのがすごく好きです。
「5本の指が4セット」というのもすごく好きです。


(ここで元々の制作秘話と解説が終わります。
 書き残しておいた原稿からも載せますね)


56. 飛ぶ
(当時としては)ひさしぶりにすごく短い時間で書いた詩です。10分経たないくらい。
現在との決別を書いたつもりが、まるで自殺シーンのようにも読めるのが怖かったです。
ここでも「決定事項は変更可能」という言葉がでてきます。


2012年6月


57. 浮遊
2・3・2の再生のフォーマットを使っています。
当時より今のほうが好きですね、この詩。
保留にしていたメモの中にあったそうです。

58. たより
どっちもいいよや決定事項は変更可能という言葉に、僕の価値観は出ていると思います。
だからこの詩も「何も書かなくて”も”いいよ」と書こうとしていました。だけどやめました。
言い切る強さみたいなのも、僕も感じたことがあったからです。


2012年7月


59.
書き始めるときから、この詩は大切な詩になるとわかっていました。
3週間、何度も書き直しを続けました。緻密に、工芸作品のように。
封印してた作詞的な方法論です。とてもいいです。
いつかの別れを書いていますが、なぜかきらめいています。


2012年12月


60. 新品
詩ばかりのブログのくせして、それから五ヶ月も書かなくなります。
寄せ集めみたいな、メモみたいな言葉ですが、捨てられなかったんでしょうね。
だからこそこの時期にアップしたんだと思います。


2013年4月


61. 歯車の仕組
さらに四ヶ月。再生のフォーマットを使ってますね。
この詩には明確なイメージがあります。誰にも言ってないけど。
それを形にするのに結構手こずった思い出があります。
たまに「歯車 仕組み」で検索してくれる人がいるみたいでそれはちょっと申し訳ないです。

62. 雑記
歯車の仕組を書いている途中に同時に生まれた双子のような詩です。
結構すごい腕力で書いてますね。以下、過去の原稿です。

「雑記」というタイトルは逃げな気がしていたのですが、
一番やわらかい雰囲気が出るのが「雑記」でした。
普段着なんだよというのを表したかったからかもしれません。
「狙う」というタイトルがかなり有力でした。
「狙う」とつくと詩全体の(武力的な)力強さが増すのが不思議でした。

63. 保湿
愛は何度か出てきていたけど、恋という言葉はこれまであまり使っていませんでした。
HANDとちょっと似てます。保湿が大事。


2013年5月


64. 纏わせる
2ヵ月経って、ついに毎日書こうと動き出します。
どこへでもいけた第一連から、今まで行ったことのない方にいったので手応えがありました。

ラヴィン・フルーツフルというCOILの曲を聴きながら書きました。
毎日書こうとしたのが前回で結局止まってしまって、
詩ではない様々なお知らせがブログの先頭に来るのが嫌でした。
この日の前の日にも書こうとしたんですけどうまくいきませんでした。
書いてなかったからかもしれません。
少しエロティックな感じがするのはCOILのせいかな。
纏うという単語もちゃんと書けるように「漢字 大きく」で検索して出てきたページで見て練習しました。


65.
結局5日くらい空いちゃうんですけど、ここからは本当に(今現在も)毎日書いています。
この詩、なんなんでしょう。すごくいいです。

最終連からは小学校卒業式のイメージがあります。「僕ら」もそのせいです。
さようならという言葉は強すぎるので、本当はあまり使わないようにしています。
3・2・1の後は、1拍休符が入るイメージです。


66.
ずっと残してあったメモを、結局そのまま載せました。
よくわからないけど、うまい。うまいけど、よくわからない。
こういう「捨てられない」という詩が、たまにあります。


67. 装う
毎日書くと決めたので、体調不良ながらも、机に突っ伏して考えてアップした詩です。
何度も諦めたけど、次の日見て、すごくいい詩だとうれしくなりました。
springもギリギリの状態で書いているので、いい方法なのかもしれないですね。
この頃の中ではダントツで、うますぎてずるいと思うくらいの出来でした。


2013年6月


68. 脚本
せっかく装うでうまく書けたのにー、とこの詩の評価は結構低いものでした。
だけど今見ると結構上手いです。硬めなだけで、結構いいです。

サビのところの言い方をあえて少し弱めたりしたのは、とっても不思議だった。
怒られてもあんまり内容入ってこないからね。
2番のBメロ的なところで言葉が少ないのは、COILの影響です。


69. accelerate!
下の原稿が残ってたくらい気恥ずかしさを記憶していたんですけど、今見るとそんなに悪くないです。
ポップな色彩というか。悪くなかったです。

この日はライブがあったのでその前に書きました。
最初の出だしからずいぶんイメージと変わったのを覚えてます。
やっぱり装うの方が好きなんです。
メッセージというよりひとりの心情を書いたほうが好きみたいです。
メッセージというのはどうしても、上から目線のような。
こういうふうに詩で励ますのは苦手なのかもしれないです。


70. 信頼
下の原稿、結構悩んでますね。毎日書くの自体が単にしんどかったんでしょうね。
この辺の葛藤は2年のあいさつにも結構書いています。その約1ヶ月前ですね。

きれいな詩にしようとしたけど結果的に自分の中での無難レベルで少し好きじゃありません。
毎日更新しようと思って何日か続けてるんですけど、やっぱりすげえ好きなのを載せたいという気持ちが湧いてきていました。
でも平均値をあげていきたいというのもあって、すごく難しい所です。
間の空いた歯車の仕組とそれより前を比べてもレベルは変わってるから、書くことだけがレベルアップとも限らないし。
あと音楽も詩も、寝て起きて見直すというのが自分の中のすごく大きな評価基準で。
フラットな気持ちになっても好きでいられるかというのがすごく大事。
でも24時になるまでに書き終えなきゃという感じで書いていたので、それがないのもちょっといやでした。
ストックを1日だけ2つにして1つずつずらしていけばいいんですけどね。
「装う」がすごく大きかったんです。


71. そっちの私
この詩は出来に関してはそんなに評価が高くなかったのですが、よく覚えています。
オチとかも、自分だから書けたかな、という印象がありました。

前の詩とこの詩の間に、散歩の話についての制作秘話と解説を書きました。
そしたら1年以上経っていたのに、結構ぐっときてしまったんですよね。
散歩の話に負けないようにしなきゃと少し意気込んでいました。

時間を止めるんじゃなくて、流してみたい。
こんな感じのフレーズから発展して、最終的に残ったのがこれでした。
前の書き方のような、(当時の)今の書き方のような、変な感じでした。
散歩の話に勝たなきゃ!と思ってたのに、思いもよらない方向からできたから驚きました。
勝ち負けの範疇じゃない詩が書けたんだなって。
「振舞った」をアップする直前に「振舞って」に変えただけで良くなったり、不思議です。
私ばかり書いていたら私がゲシュタルト崩壊して大変でした。のぎへんにムって。

毎日アップするとレア感がなくなるのはちょっと困りますよねー。
でもこの頃2・3・2の形にあまりしばられなくなってきました。


72. 誤期待ください
本文も何度も書き直したし初めての方法論でした。
だけど何より、タイトルが上手くいったのがうれしかったです。

アップする前にタイトルで(0時までという時間制限があるので)相当焦りました。
戸惑いたいという言葉が主軸ではありますが強すぎるので却下して、
予感という言葉はこの詩には弱すぎるので却下して、
その次に出てきたのは「外れる」「外れたい」「外したい」。
外したいはかなりよかったんですけど、その直後に戸惑いたいですから、
ごちゃごちゃしちゃうので泣く泣くやめました。
その後には「どんでん返し」(どんでんってなんだ?)「期待外れ」「期待外し」。
期待外しは結構気に入りました。けど、いまいち表していない気がして。
「裏期待」「逆期待」、うーんと考えてたら「誤期待」。

えてよかった!ぴったり!!!そしておもしろい。
本当は「誤期待ください」より「誤期待」の方が好きなんです。
でも前者の方が「?」とか「!」と思われると思ったんです。マーケットを初めて意識しました。

僕はアクセントに興味があるんですけど、
(さくらは木と人でアクセントが変わる。長野氏と長野市も変わる)
誤期待と御期待もアクセント違いますよねー。おもしろい。

昨日の自分を超える自信はなくても、更新していく意味はきっとありますよね。
装うがすごく好きでそれ以降うーんと思いながらでしたけど、更新するって決めてなきゃ体調悪いのに装うを書いたりもしなかったし
きっとこのタイトルもできなかったと思います。


73. 手作りの手引き
完成させられるのは世界に私ひとりだけというのは、この頃よく考えていました。
タイトルハイというか、いいタイトルが続きます。

ストックに書き足してる途中に「ハンドメイドは時間が掛かるね」という言葉がでてきて、
それを一行目にして作り直しました。
なんか、すごく私的な・・。ゆるい感じになってしまった。
全体的なバランスも、なんかすごく変な気がしたんですけど、
手作りの手引きだからまだまだこっからですよって感じがしないでもない気がして(微妙なライン)これで採用にしました。
詩ではないかもしれないですねー。でもちょっと好きですね。


74. 単独配列
この詩は結構思い入れがありました。
言葉なんて世の中に「ある」もんです。
どの言葉をどの順番に使いたいか「使いたくないか」を判断して、
ドミノみたいに並べてるのが「個性」なんじゃないかって、思ったんですよね。
えらくもなんともないけど、きっと見つけてほしいと思っていました。
また、タイトルがすばらしいです。

この詩を書く直前に評価基準っていう言葉が出てきていました。
言葉も音楽も使っている脳の部分はきっとあんまり変わらなくて、
もともとある日本語とかドレミとかを自分の評価基準に沿って並べてるだけじゃないかなって思ったんです。
日本語とかドレミとかは作ったんじゃないから全然えらくもなくて、
自分らしいと呼べるのはその選定基準だけなんじゃないかなって思って。
オリジナルって言葉がずっと前から大切だったんですけど、そういうことかーって思ってました。
まさか直後に詩にするとは思いませんでした。

ここのところ「こころ」ってひらがなで書くのが好きだったんですけど、
それを自分らしいと勘違いして頑なにひらがなで書こうとしてました。

「誤期待ください」「手作りの手引き」「単独配列」ってすごくないですか。成長してるなー!
このタイトルの付け方は、まさにこの詩の主題なんですよね。


75. 切り替え不足
前に合宿免許で地方に行って、チェーン店見つけて安心したんですよね。
即興で書こうとすると「に」という音が浮かぶことがこの頃はとても多かったです。

あー今日は本当にテーマがない。
どうしようかなーと探していたら「二時間半の電車」っていうのが出てきました。
そのあとはやたらとすぐ書けましたね。もう変なのって感じです。おもしろい。
なんか不足な感じもちょうどいい気がして、あまり校正しませんでした。
5行詩って心に言葉を以来じゃないかな。
散歩の話の解説を書いてから結構意気込んでいたのに、
そっちの私からなんかふんわりと書けるようにもなって、これはこれでいいことかなって思っていました。


76. 侵入
この詩はエロにも取れるし、新しい自分に変化してしまう要素に出会うときにも取れます。
ずっと同じだった文字数が最後崩れていくところも好きです。


77. すごく
この詩の出だしは、あとで見ると、どうしてこんなのが書けたんだろうと不思議に思うほどに良いです。
すごくならないと、と書いている詩が結構すごいのが、今となっては面白い。

透き通っていく感覚という言葉が偽物という言葉と繋がったら、そこからは一気に書けました。
もっとピュアピュアしい感じで書きたかったんですけど、偽物という言葉が全てを持って行ってしまいました。

この頃漢和辞典を買ったので、今まで勘でやっていた漢字選びをちゃんとやるようになりました。
「全て」と「総て」とかね。
妹にいつか貸して、返ってくるのを待っていたんですけど、きっと失くしたんだと思います。
どうやってなくせるんだあんなもの。

毎日詩を書いていて、やだなと思ったり、意義を感じたり、
でも意義って意味あんのかみたく思ったりして。浮き沈んでいました。
例えばこの詩のように歌詞的な書き方は「虹」なんかがありますが、
あれはもう1行1行すごく意味があるもん。
でも毎日書いてると、意味だけで言葉は繋げなくて、言葉遊びのような感覚が出てきてしまいます。
でも、僕はすごいところなんてなんにもないから(ちょっと嘘です)
すっと詩が出るところまで持っていきたかったんですよね。
どうなるかわからないけど、そこまで行ってみたかった。
この制作秘話が更新される頃はどうなってるんだろうなあ。(20130612)


78. 外出
この詩は3月11日を意識しています。
また9.11あたりの音楽には、コンピューターの乾いた音楽が多いんですよね。

時間軸のある風景画みたいな詩です。


79. 何者
これを書いているまさに今日、朝井リョウさんの「何者」を読んだので驚きました。
僕もSNSや面接での、自分の外に着飾る脚色について書いたものでした。
この頃はまだ1行詩が少なかったので、葛藤もあったみたいです。

夜に「そんな特別なんてどうでもいい」というメモをして、
最初にこの形になりました。仮タイトルは「特別」でした。

 そんな特別どうでもいい
 この場で何ができる

二行になる時の一行目の言い方と一行詩の時の一行目の言い方はやっぱり異なっていて、
僕が言いたいのは明らかに一行目だったし、インパクトとかそういうのがぐっと下がってしまうんです。
でも、一行しかないと伝わらない可能性がすごく増えます。伝わらないと意味がないから、これはだめなんです。
ただ、二行目を書くことで意味を限定しすぎてしまう怖さもありました。
僕が思う一行目はもっとでっかかった。

そのとき改めてタイトルを考えて「何者」という言葉が出てきました。
この言葉が出てから、二行目が余計余分に感じたんです。
なのでとっちゃいました。よかった。


80. ラブレター
こういうタイトルは、気恥ずかしかったのを覚えていますね。
失恋の熱からはだいぶ経った人の話です。

数日前からあったメモを詩にしました。
「捜索中止」というタイトルが付きそうだったんですけど、これになりました。
この詩は、僕の気持ちというよりは言われる側の気持ちにたってます。
こういうこと、なんかよく言われます。設定を変えると、少し悲しくなります。
最後の2行は逆にしようか迷ったんですけど、そのままにしました。

1年のあいさつという記事で「詩のカテゴリーを見ると書いてきた詩が一覧で見える」みたいなことを書いてるんですけど
毎日書いてると、そういうのちょっとどうでもよくなってきていました。


81. 到着
初めて会うのに、再会のような。たぶんそういうことかな。
到着、というタイトルは、かなりいいです。

最近、思いついたときに書いていないせいか(強制的に毎日書いているせいか)、
自分の中の大事なところをそのまま出し惜しみせずに出してる感じがして、なんか、なんかでした。
出し惜しみしたいもん。
タイトルも少し迷って「感触」「異なる感触」「違う感触」「移動」「移行」「移る」てな具合でした。
でも迷ってたらちゃんと出てきますね。全然違う方向から。
毎日書くって決めて毎日書いてますけど、今のところネタ切れしていないのがなんか救いでした。


82. 不順
0時まで時間がなくて、再生のフォーマットで手癖で書いちゃった気がした詩。
だけどこういう詩が意外とほめられる。おもしろいなあ。
原稿見ると、この頃はメモを膨らませる書き方が多かったのが分かります。

23時過ぎに帰ってきて、どうしてもお腹へっちゃって食べて、残り30分くらい。
いくつか用意してあった断片は大事そうなので置いておくことにしたから、その時間で書き下ろしました。
かなりあぶなかった。最後の30秒くらいでアップしました。


83. 焦点移動
少し難しめのことばでがんばってます。
これでしか言えなかったんでしょうね。

ネタ切れしないで安心って書いてからの2作、書いていて緊張しました。
なんかノッてない感じというか。でも書くんですけど。

焦点移動という言葉はもともとある言葉だそうです。
ピントを合わせたのに、いろいろといじってたらずれちゃうことをいうそうです。
焦点で言葉を調べたらでてきて、ぴったりなので使いました。


84. 残る
友達に「詩を書く時間くれるならそのあとドライブ行こう!」って言って、
初めて人の前で詩を書きました。雨の日、車の中で。パソコンもなかったので、久々に紙に。
気が散って書けないかと思ったら、結構いいのが出てきて驚きました。

この前に1つ書いてるのですが、やめました。待ってくれてるのに。
前のをやめたのは、ちょっと大事っぽかったからです。
この詩は、雨も降ってるしと思って、結構すぐ書けました。
「書けた」という感じがしてうれしかったです。

書くときには全体の文字の見た目も気にしています。
帰宅してからパソコンで見たら、最後の2行がいつもよりちょっと長め?でした。
パソコンではたぶん書かなかったと思います。

ないものねだりというか、そろそろまた長いのを書きたくなっていました。


85. 素直
この詩は意図しているシーンがあるのですが、
甘えてるというか、もう3歩くらいうまく書けてない感じがありますね。

テクニックとかそういうんじゃないじゃんという気持ちと、伝え方が大切って思う気持ちと、いろいろです。
たまに、無意識に上手に言葉足らずなのに伝えられる人がいて、女の人に多いんですけど、すごくうらやましいですね。
僕はできないので、むずかしいなあと思いながら毎日詩を書いていました。
だからこの詩の主人公は、そんなことないよねと言いながら、気付いてしまってるんですよね。
それはいいことなのかな。


86. engine
Youtubeの動画を見て、初めて動画に詩をつけました。
幻想的なあの動画の、途方に暮れるような感じを出してくて、何度か書き直しました。

前の日にライターの橋本真里さんがツイートされていたポーランドのランタンが飛ぶ動画。
他の詩が書いてあったんですけど、夏至のお祭りみたいなので、この日に書きました。
「エンジンは希望」「希望エンジン」っていうタイトル案もあったんですけど、
僕の判断基準ではなんかアウトで、一番シンプルな感じになりました。
ひとつひとつなのに、無数。無数なのに、ひとつひとつ。
これ、すごく大切だと思っています。


87. 十年語
COILのニコ生を見ていたら「十年後」の誤字のコメントが流れてきて、
その言葉だけで一気にイメージが湧いて書きました。
だけど空港のシーンとかは即興です。すばらしくいいですね。
(こういう経験が少しずつ、書き下ろしへの抵抗を減らしていきました)
「今の」という言葉が効いていますね。


88. 共鳴り
この詩にでてくる電車はたしか高崎線だったと思います。
遠くにいる人と、奇跡みたいに、当たり前のように共振している詩。
祈りみたいなもんですね。上手に書けています。
お願いだから今は何にも言わないで、も、うまく書けた気がしました。

夕方から少し雨が降る予報で、でも18時近くになっても降らずにいました。
帰りの電車で、曇りと晴れが共存してるのがすごくきれいで。

プロットは一旦保留にしたんです。
2つの案が1つになってしまってると思っていたからです。
電車パートのみかオーケストラパートのみで書き直そうと思ったんですけど、書き直せませんでした。
やっぱりどっちも必要な気がして。
だから語感を少しだけ直して、そしたら読みやすくもなって、更新しました。

今は何も言わないでっていう気持ち、わかりますか?
一例ですけど、例えば悲しいことがあったときに「悲しいことがあるから嬉しいことがあるんだよ」みたいに言うのいやなんです。
だから、曇りと晴れが一緒できれいで、ただそれだけなのに、
曇りがあるからなんちゃらみたいなこと言わないでくれよな、という気持ちを込めました。

タイトルは、とても好きな自分の詩の「HAND」の中にも出てきた言葉から。
ともなりって読みます。ちょっと好きな言葉です。


89. うろ
「uro」っていう言葉には泌尿器系の意味があるのと、
友達が泌尿器科系で働いてて「ウロ科って言うよ」って言われたことしか覚えていません。

書いてるときは無心でした。
いろんな案をあげてはさげあげてはさげで、最終的にそれらをきゅっとしたらうろになりました。
「私情」というタイトル案もあったんですけど、迂路という言葉が気に入って。
調べると「うろ」と読む字は他にもあって、そのほとんどが当てはまったのでひらがなにしました。
「ウロ」にすると曲のタイトルっぽいですよね。曲のタイトルの付け方に関してもよく考えていました。
そして「uro」と英語で書くと「尿」の意味があるそうです。かなり迷ったんですけど、誤読を招いてもしょうがないのでやめました。


90. 他人情熱
「生きた証を地球人全員が残したら容量不足になるのは知ってる」というのは、表現をする自分の気持ちでしょうね。
タイトル候補で第三情熱というのがあったけど、健康ドリンクや船っぽいイメージになるからこのタイトルになりました。

うろの「気にしないよ、もう」っていうのをもうちょっと別に書いてみようかと思って
朝軽く詩を書きました。プロットの段階ではありましたが、これです。

 意味がなくてもやるんだから
 気にしないよもう
 偽物だって掴んでやる
 本物を見抜いている暇はないから

 生きた証なんて
 地球人全員が残したら容量不足だろ
 理解できない理論を
 構築している余裕もない

 なんだかわからない感情が
 僕のこころを支配してる ずっと
 確信の確証は俺だけしかできない
 みんなさよなら またそのうちに

このプロットの一部分を先頭に持ってきたのが今回の詩です。
言葉なんて連想ゲームみたいなもんですよね。
(そのルールを破ったときはそれはそれでいいんですけど)
容量不足という言葉は、デジタルの発想ですよね。
今までだったらキャパオーバーとか、定員オーバーとか言ったのかな。


91. コントロールミー
この詩も車の中で、友達の横で書いた詩です。
この詩の雰囲気、COILの「0・10」あたりの影響だと思います。
(コイルの影響は、意図的に避けたりしません)
実は、何を埋めたのか、今はもう忘れてしまいました。

装うという詩に「実体のない痛み」という言葉が出てくるんですけど、
その詩が完成する直前に「実体のない痛みは天才外科医 傷を残さずに」
というプロットがあって、そこから抜粋しました。
書き始めた瞬間から、絶対英語使うだろうって思っていました。

23時57分になると横のおばかな友人が「あと3分」と小声で言い始め、
58分、59分とリミットが近づくと「え?え?」と言い続けていました。とってもうるさかったです。笑
この日は紙じゃなく携帯で書いていたので、わかってるよと思って無視していました。

ぼかしたり、にごしたりすると詩的っぽくなるっていうだめな技があるんですけど、
これは、埋めたものがなんなのか僕の中ではかなりはっきりしています。
(ほんとうは、書きながらはっきりしたんですけど)
ヒントは、文学「的」というのは文学ではないということです。
サンボマスターの山口さんが言ってたのかな。

埋め込んだものが単に悪いものではないというのは、最初から決まっていました。


92. 友情の偽物
「ふたりだけで時計の針を合わせたかった」って、すばらしいですよね。
少し大人な不思議ちゃんの本音というか、立ち入れないよというか、そんな感じです。

 あなたへの友情は偽物で
 愛情だったのかもしれない

というメモと

 君と時計をあわせて
 ふたりだけの世界にした

というメモをこの日の昼にしていました。
一緒になるなんて思ってなかったです。出し惜しみしたかったんです。
錯覚のところは「ちくっとする胸の痛みは胃の痛みなんだよ」みたいなことですね。たぶん。


93. 透明な御食事
まさかこんな詩アップしないよね?しないよね?と思っているうちに書き上げてアップしちゃった詩です。
透明って詩にとってすごく便利な言葉だとこの頃には気付き始めていました。

深いメッセージと裏テーマのある詩ですね。嘘です。
透明な御飯いくら食べても空腹だねって話です。

僕の詩は「こころ」とかやたら多くて、もうちょっと他の五感を使いたいと思っていました。
食事がでてきたのって散歩の話くらいじゃないかな。わかんないけど。
ご飯食べたいな詩で。と考えていました。

初期の(ブログよりもっと前の)詩では「~しようぜ」「~じゃないのか」
とか人を戒めるような言葉が多かったんですけど、
そういうのより、自分勝手できれいな言葉を発していたいなって思っていました。
後々いいなって思うのは、やっぱりそっち側だったから。
この頃でいえば「共鳴り」「残る」「装う」あたりです。

この詩は、あーこれはお遊び半分だな!ボツかもな!
そう思って書き始めてたら書けちゃったので、うーんきれいなので他にも書く?って思ったんですけど
毎日書いてるしいいやと思って更新ボタンを押しました。

もともとは透明なパスタ「を作る」という出だしで、他の連もそうだったんですけど、最後に外しました。
これを外せたのはとても大きかった気がします。


94. 中心
いろいろなことを大事にしすぎてるかなあと、この頃考えてた気がします。
核の核だけとっておいたら、ほかはぜんぶ変化したっていいかなって。

すごく眠くて、さっと書いた詩です。
「苦い」って言葉がちょっと前から使いたくて、考えてたら「逃げる」になりました。
やっぱり「に」が多いです。


95. 六月がおわります
こういう時期が特定される詩はほとんど書いていなかったんですけど、
毎日書いてるならいいのかなって、そう思いました。

「生命」という言葉は、長沼毅さんがサワコの朝という番組で使っていた言葉です。
阿川佐和子さんが「今いきるのがつらいって思っている人になんて言ってあげれますか」と質問したら
「つらいと思っているのはあなたの脳ですから。あなたのボディーにある生命は生きようと思っています」と答えたんです。
「体は弱いけど、生命は誕生して40億年。40億年も続く現象なんてあんまりないですよ。興味でますよね」
ああ、このひとはいのちをそういうふうに捉えているんだと、超感動しました。


2013年7月


96. おやすみ
この詩の記憶はとてもよく残っています。
「こころ」が多い僕の詩で数少ない、人すら出てこない詩です。
風景だけを切り取った詩は、今現在でも多くありません。
人がでてこないのに、物になにかが宿っているような詩ですよね。
この風景は僕が前に住んでいた家の窓から見えたものなんです。
この詩がいいと言ってくれた友達を連れてその家の前まで行ってみたのですが、
かなり感動していました。僕もです。
住んでるときはあんまり思ったことがありませんでした。

この日はなんにも書くことが浮かばなくてぼーっとしていました。
この前にひとつ書いたんですけど、もう少し寝かしたかったので別のを書くことにしました。
風景を切り取ってみようと思いました。
そう思って真っ先に思いついたのがこの風景でした。
僕の前の家は電車の車庫の目の前にありました。電車マニアが憧れるような場所でした。
でも僕にとっては当たり前の風景。
踏切が近いので1時まではカンカンやゴトゴトと音がするんですけど、
1時を過ぎると急にしんとなるんです。
そして一台一台の電車がゆったりと車庫に入っていきました。
きっと50日に一度くらいしか気にしなかったその風景ですが
僕はそういうところで育ったんですね。育てられていたんです。
前回からプライベートな詩が続きましたが、
そういうのもいいかなって少し思い始めていました。

装う、という自分の詩をちょっとぱくっています。
新しいやり方で書いていきたいけど、得意なことは伸ばしていきたいんですよね。どっちもいいんです。

2連目の2行目。
昔からどうしてもこういう余談みたいなのが入ってしまいます。癖ですね。
プロットの段階で削除するのもありますが、どうしても入ってしまいます。
僕の話し言葉と似ているかもしれません。
このときも気付いて、最後に書き直そうとしたんですけど、なんか愛着が湧いて変えませんでした。
どっちがいいんだろうなあ。

電車の生きる意味って、言ってしまえば何かを乗せて走ることですから、
車庫には「帰る」っていうのかなって考えていました。
そういえば駅にはホームがありますよね。帰る場所はどっちかな。
(ほんとはあれはplat「form」ですけどね)
僕らも、ホームってどこなんだろうなあ。

そういえば、人の気配がこんなに薄い詩もはじめてかもしれません。
トライしてんじゃないですか。


97. 改葬
思い出の場所が(きれいにするための改装工事でも)変わってるとちょっと悲しくなります。
その感情をもう少し俯瞰して書いたんでしょうね。

第二連二行目、「失くなった」にしたほうが言葉がきれいなんです。
けど「失くなっている」だと、なぜか今もそこにある感じがしませんか。弱い。

タイトルは普通に「改装」にしようと思っていたんです。
一応「かいそう」と調べたら、この詩にやたらと似合う単語がいくつもありました。
「わ」や「うろ」のように、同音異義語が使いたい時はひらがな作戦が有効です。
だけど今回は違う気がしました。カタカナ作戦も、「kaisou」作戦も失敗です。
一番驚いた単語は「掻い添ふ」という単語でした。
意味もいいし、なにより詩の中にでてきた名詞と同音異義語、しかも動詞!
超かっこいい。名詞と動詞の同音異義語なんて。かなり使いたかった。使いかけてた。
でも「改葬」にはかなわなくて、見ないふりをして使おうと思ったんですけど、めっ!って言ってこのタイトルになりました。


98. 存る
ある、と読みます。変換では出てこないんですけどね。
たぶん頑張って書いたと思うんだけど、むずかしいです。笑
今の俺には読みこなせない。

途切れた線を補っていくのではないところがポイントです。


99. 触れる旅
この詩は、書くのにとても苦労した記憶があるので、
あんまり傑作ではないと思っていました。
今の印象は、結構いいです。
こういう温度のこういう景色は、なかなか書けません。


100. もう百
今はもう800篇以上の詩を書いていますが、
このときは毎日書くのもたいへんだったし、
やっと100、という印象があったんでしょうね。
こういう記念ぽいのはずかしい、という気持ち以上に、
書かずにはいれないという感覚があったんだと思います。
だけど今までの総まとめにはならず、
新しいスタイルで書いているのがいいですね。
どこかの国という箇所はたぶん
森山直太朗さんの「メビウス」という曲の影響があります。

もう百どころか、数百数えちゃいました。

存ると同時に、このプロットができました。
シャワーを浴びたあとすぐ、拭き取れていない水滴がぽたぽたと垂れながらかきました。

 もう百数える間に
 必ず僕を見出してよ

で始まる詩のつもりだったのですが、それが3行詩になって、5行詩になって、
そして連のない詩になりました。

本当はこういう記念みたいなのあんまりやなんですけどね。
100回なのに気にしてない!みたいな方がかっこいいじゃないですか。
でも生まれちゃったんで、せっかくだから形にしました。

あいつのケツはデスヒップという曲が完成して初めてYoutubeにアップしたのが2012年の2月でした。
わからないことだらけで、半年以上がかかりました。
突き詰める方法もしらなかったから、手を抜く方法もしりません。
こんな細かいこと、だれが気にするのかなってたまに考えていました。

アップしたあとで友達と鎌倉にいって
北鎌倉駅から鎌倉駅へと歩いてる途中かな
名前はもう忘れちゃいましたけど最初のお寺を見つけました。

お寺の建物をよくみてみると、すごい高い誰も目につかないようなところに
細やかな装飾があるんですよね。それやってどうするんだっていうような。
でもきっとそういったひとつひとつが、全体の空気を作っているんだなって思ったんです。
なんか正解だよって言われたような気がして、うれしかったんです。
そんなこんなを散りばめました。

 今しかできないことは今しかできない
 僕はどんどん変わっていく

のようなことも入れたかったんですけど入んなかったですね。

おやすみみたいなきれいな詩を書きたい気持ちでいるんですけど、
せっかくだったのでこれで最後の気持ちで、自分丸出しの詩を書きました。
誰かに見つけてもらわないと、なんにもならないんです。


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今はもういい意味でも悪い意味でも書けない詩があります。
まだ、たった数年しか経ってないのに。

僕がここでやったことは、
毎日ご飯を作っている主婦が、
過去の料理を見直して、
これは楽しかったけどまずかったとか、
このスパイスの使い方はここからだったとか、
そう評してるのと変わりません。

詩とかってなんとなく高尚な気がするけど、
こう考えると、とっても馬鹿なことをやっている気もします。

続編、あるのでしょうか。