人気ブログランキング | 話題のタグを見る

お月さまは
きれいだけどとおいから
近いだけの小さな光に
自分でなびいたの

だけど今日みたいな日は
用事あるふりして
ベランダで少しだけ
見惚れさせてね




# by yasuharakenta | 2021-09-21 23:46 | 詩、歌詞

あなたの手じゃない手で
私が外されたとき
本当はさみしかったけど
ずっとこうなりたかったんだもんねって
ネックレスは小声で言った
ガラスのテーブルに優しく置いてくれた人だから
これからきっと大丈夫だよ
信じてみてきっと大丈夫だよって
涙を流していないふりをして




# by yasuharakenta | 2021-09-20 23:56 | 詩、歌詞

マニキュアはペディキュアに
お前はあまり見られなくて残念だなと言った
それを聞いたペディキュアが
その代わりあまり塗り替えられないから嬉しいよと言ったら
マニキュアは黙ってしまった




# by yasuharakenta | 2021-09-19 23:47 | 詩、歌詞

何分も髪の毛セットしてたの知ってるよ
だから今日はなしでいいよって帽子は言った
けれど彼女はあの人に会った瞬間
せっかくかわいくしたのに
帽子被っちゃったと笑ったのだった




# by yasuharakenta | 2021-09-18 22:27 | 詩、歌詞




雲のパレード、そしてたわわなしあわせのときに書いた「制作秘話と解説」

今回の「いつも気にしていたい歌」は短い曲だし、
分かってもらえるだろうから書かなくていいかなと思ってたのですが、甘かった。

ラストに「予定がない日に会いたいよ」というものすごく好きな歌詞があるのですが、
別々に聞かせた母親、父親の両方から「予定がある日に会いたいもんなんじゃないの?」と言われました。
なんだおまえら。うるせえなと。仲良いじゃねえかと。

こうこうこうでね、と説明したものの、別の友達にも「どういうこと?」と言われる始末。
もう、もう書いてやるよ!わかってくれよ!ということで。

渾身の制作秘話と解説。いつも気にしていたい歌バージョン。スタートします。
好きになるよ?


ーーーーーー


 いつも気にしていたいのに
 必要事項がじゃまするの


冒頭の歌詞。
ほぼタイトルでもあり、この曲のすべてでもあります。

「あなたのことをいつも思ってるよ」
「あなただけを」

そういう歌詞は山ほどあります。
そう思う気持ちも分かる。
だけど実際は、いつも思ってはいられないよなということです。

あなたのことを思っていたい。
けど仕事中に怒られてるときは、そのことでいっぱいだよ。
あなたのことを思っていたい。
けど子どもが電車でギャン泣きしてるときは、そのことでいっぱいだよ。
あなたのことを思っていたい。
けど明日テストがあるから、そのことでいっぱいだよ。
あなたのことを思っていたい。
けど親が意味分かんないこと言ってくるから、そのことでいっぱいだよ。

そしてこの曲の歌詞ができていた状態で、
世界には新型コロナウイルスが蔓延していきました。

あなたのことを思っていたい。
けどコロナにかからないようにって、そのことでいっぱいだよ。

会うということができないという、おそらくほとんどの人にとって初めての状況で、
この曲は生まれる意味があるなあとひっそり思っていたんです。

いつも気にしていたいのに、必要事項がじゃまするの。
これは、そういう意味を込めた歌詞でした。

そして、もうサビです。


 ここで生きてるよ
 いつか割り込んで


本当はあなたのことだけを考えていたいこと。
でもそれが何かしらの理由でできないこと。
お金が関係すること。生活が関係すること。関係が関係すること。

だから、不本意な気持ちも引き連れてここで頑張って生きてる。
会いに行きたい。けど、ここで。

でも、そんなセオリー、いつかぶち壊してよ。
ずっと会いたいんだもん。ずっと話したいんだもん。

そういう気持ちを「割り込んで」という言葉に託しました。
だって。


 何度も交わる曲線でしょ


でしょ。
どういうこと?ってなるかな。

実はこのサビの歌詞はずーっとうまくいかなかったんです。

「諦めたことも話すよ」
「ばたばたしていたら 4年も過ぎちゃうよ」
「昨日 虹を見た?」
「歌の中でだけ あなたと会ってるの」
「選んできたんだ 君がいないとこを もっとずっと上手にできると思ってたの」
「いつか崩してね」「いつか阻止してね」「再び現れてね」

その悩んでる途中で「何度も交わる曲線でしょ」っていう言葉が出てきたとき、画面を二度見しました。
一応、他のも考えようって案出ししながらも、絶対これだろうなと思ってた。

直線の交わり方には3種類あるんです。
1. 1点で交わる(1度だけ)
2. 平行(つまり交わらない)
3. ねじれ(全然別のところを通っていて、つまり交わらない)

もし、人生が、直線だとして。
あなたとはもう会ってしまったんなら、もう会えないわけです。
最高でも1点でしか交わらないのが直線だから。
一度交わったら、ただ離れていくだけなのが直線だから。

でも私たちは、そもそも直線じゃないよね。
もともと、ぐねぐねした、何度も会える曲線だもんね。

これが全部あの一行に含まれてます。
泣かない人なんているのかな。
そう疑っちゃうぐらい、最高の歌詞だと思ってます。

そして間奏を経て、とうとうあの歌詞が、しかも2度歌われます。


 予定がない日に会いたいよ


母も、父も、友達も、どういうこと?と言ったこの歌詞。
予定があるときこそ会いたくなるもんじゃない?
確かにそうだね。
でもここまで読んでくれた人なら分かってもらえるんじゃないかな、と思ったりもします。

あなたのことだけを考えていたいのは、そりゃそう。
でも必要事項がじゃまをするから、あなたのことだけは考えていられません。
予定があるときって、会いたいなーってことすら考えられないときも多いです。

明日提出の課題があるとき。
突然兄が亡くなったとき。
恋人に別れを告げられた日。
初めて高速道路に乗ったとき。
引っ越しの業者が来るまでに片付けをしないといけないとき。

そのときはそのことで頭がいっぱい。
「これが終わったら会おうね」っていうメッセージを送ることすら、難しいものです。

そして、そういうのがフッと一段落ついたとき。
考えごとが、フッと落ちついたとき。
緊張から、フッと解放されたとき。

思い出すのが、あなたのことだよ。
会いたくなるのが、あなたのことだよ。

大事なことだから2回言うね。
予定がない日に会いたいよ。


ーーーーーー


YouTubeで「いつも気にしていたい歌」で検索すると分かるのですが、
実はいつも気にしていたい歌はデモ音源としてずっと前にアップしていた曲なんです。
歌詞も仮でほとんどなし。うーうーで歌ってる。
でも、元からあったのが「いつも気にしていたいのに」という歌詞だったんです。

 

作業してる間聞いてなかったんですけど、
改めて聞くと、結構このままだったんですよね。サビとかも。
びっくりしました。
なんかやわらかすぎるかなと思ってた記憶はあるんですけど、
曲としての出来を確信してたからアップしたのかなあなんて思ったり。

じゃあその曲を、なんでまた作る気になったのか。
それは、高い声を褒められたからです。

最近ボイトレの動画もアップしたけど、
その頃は歌もいまいち上手くならなくて難しいなあと思ってた頃。
特に高音は全然ダメなんじゃないかと、
あまり高くない声で歌うように転調したりしてたんですね。

でもある友達が「安原くんは高い声がいい」って言ってくれたので、
それを真に受けて曲をつくるようになりました。
「たわわなしあわせ」なんかがまさにそうです。



そのときになんとなく、いつも気にしていたい歌のキーを5つぐらい高くしてラララで歌ったら、
なんかめちゃめちゃいい感じがしたんですね。
つまり、この曲の後半部分です。

歌詞解説には出てこなかったけど、この曲を作るきっかけはそのラララの部分。
はちゃめちゃにテンションが上がるように作れるって思ったんです。


ーーーーーー


自分が不甲斐なさすぎるからあまり書きたくないのですが、
この曲の録音を始めたのは11月です。2017年の。

2017年。
雲のパレードをひとりで作り終えて、もうひとりで何か作るのはやめようと思った頃でした。

そこでドラムのつなかわ和行くんに「たわわなしあわせ」を叩いてもらったのですが、
そのときにほんのおまけみたいに録ったのがこの「いつも気にしていたい歌」のドラムでした。

だけど、それがめちゃくちゃよかったんです。
Aメロの、全部叩かないドラムがあるのですが、そこを録音してるとき本当に涙が出そうになって。
当日になって俺が勝手にサビのテンポを落とした状態で用意してきたり、
すき間の多い曲なので叩くほうは大変だったはずなんですが、
たぶん20分ぐらいで勢いよく録り終えました。

そしてたわわなしあわせを公開したのが2018年6月。
いつも気にしていたい歌が2021年5月。

何してたんだって思いますよね。
俺も思います。


ドラムの録音が終わり、たわわなしあわせの作業が終わり、ここから本格的に曲作りに入ります。
(構成以外は、和音や歌詞を全部直すつもりだったからです)

特に和音、コードは本当に難しかった。
たわわなしあわせは3日という期限内にあんなにちゃんと作ったんだから、
期限がないせいだ!とか思って期限決めたりしたけど、空想の期限は全然有効じゃなくてダメでした。

特にサビ頭のコードだけずっと決まらず。
メロディに「C#」「F#」が出てくるんですけど、
その「F#」をコードに入れていたのが原因でした。そんなのわからないよ。笑

たわわなしあわせの解説で書いたように、和音感がないから、
コードは全部の音(12音)の組み合わせを試して作っていってます。
その一番の手がかりがメロディの音なんですよね。

でもどうしても「F#」を弾くと変な気がして、そこが見抜けなくて作業はだいぶ滞りました。
だからそれが分かった瞬間は、ツイッターに書き込むぐらいうれしかったです。


そのあとはベース、ギターと重ね録りをしていきます。
この曲に限らず、ベースラインには本当に力を入れているので、ぜひベースに注目して聞いてみてください。
特に盛り上がる後半は、ベースもだいぶ盛り上がってます。

その他、裏声を使うメロディも(自分が高くしたせいだけど)難しくて何度もやり直したり。
声がすぐ潰れたり、調子がいつも全快じゃないから、気合はあるのに録れないみたいな日も続きました。
これは今でもなんとかしたいんだけどな。
コーラスも散々録ったけど、今回はだいぶカットしてほとんど使いませんでした。

そしてサビの印象的なピアノ。
もともとメモ程度に録音したやつがものすごく好きで、そのまま採用しました。

音量をできるかぎり上げて完成させたんだけど、
完成後自分のイヤホンで聞いてたらそのピアノが耳をつんざくほどうるさくて、
せっかくある程度再生されてうれしいコメントもあったけど1週間後直してアップし直しました。

音楽の仕上げの作業は、ちゃんとしたスピーカーだけじゃなくてイヤホンやスマホでもチェックしたほうがいいって知ってたんですけどね。怠りました。
それでも、このピアノを気に入っています。


めちゃくちゃ大変だったのに、文字にするとすぐ終わっちゃうのが残念だな。
もちろんダラダラしてたのもあるんだけど。
少し前から動画編集のソフトを変えてちゃんと作るようになったんですけど、動画編集は不思議とずーっと集中してられるんですよね。
でも音楽の作業は違う。耳だけで頭めちゃくちゃ使うので非常に疲れます。
「頭で鳴ってる音を再現すればいいだけ」っていうミュージシャンなら違うのかもしれないけど。

でもそうやって作っていきました。
みんな雰囲気で騙されてるかもしれないけど、この曲は結構情熱的な曲なんです。
だから全編リズムが入ってて、サビで不思議なリズムになって、後半盛り上がりまくります。
ベースやバスドラムといった低音パートもグッと入れてます。
お願いなので音量をあと2つ上げて聞いてみてください。
その情熱がきっと耳から伝わるはずです。

ミキシング、マスタリングみたいな録音技術は本当は早くプロにお任せしたいけど、
音がいいねって言ってもらえたのはちょっと嬉しかったな。

でも、やっと作れたので、新しい曲を今は作っていきたい気持ちです。
結構いい曲書くんだから、って思ってます。


ーーーーーー


ということでいつも気にしていたい歌の制作秘話と解説でした。
歌詞解説は特に、感情こもってエモくなっちゃった。

でも、いい歌詞じゃんって思ってもらえたらうれしいな。
毎日書いてる詩よりずーっと愛と時間込めてるからね!
(込めたらよくなるということでもないけど)

おっとMVの話‥‥は長くなったからいいか!
僕個人が、アーティスト本人が映ってるMVのほうが好きなので、恥ずかしいなーと思いつつ自分で出演してます。
寝癖演出したくて寝癖出るように寝たけど、そもそもモサモサであまり目立ちませんでした。
残念。

とにかく、音量を上げて聞いてみてください。
そして予定がない日に、思い出してね。

だって。
何度も交わる曲線でしょ?


(いつも気にしていたい歌・解説完)