「4.17」
家を出たときの違和感は
コートを着ていないからだった
古くて重いばかりのコートは
もう着ないのかもしれない
深く切りすぎた爪が
少し、だけど確実に痛む
あと二日もすれば忘れる痛み
でも今日は二日後じゃない
公園で男の子が転んで
お母さんが泣かないでえらいねってほめる
泣いたらえらくないねって
そんないじわるいわないか
隣の建物の屋根のへりに
薄い黄色の風船が行きどまってる
あの風船を取ってあげられたら
男の子とお母さんを救えるかな
昼のホームは光のホーム
電車を待つのもそんなに嫌じゃない
近くて遠いところへ
ぼくを頼みます
by yasuharakenta
| 2015-04-17 21:40
| 詩、歌詞