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「踏切と電線」


最近踏切が少なくなってるらしい
高架化とか地下化とかで
というより踏切を少なくするために
高架化とか地下化が進んだんだと思う

踏切は信号とは違って
視界さえ強制的に分断される特殊なものだった
全部踏切がなくなったら
少しだけ悲しくなるかもしれない

でも踏切が将来公園で展示されても
わざわざ行ったりしない
むしろ家の近くの開かずの踏切は
本当に面倒だったんだ

電線も地中化がいずれ進むだろう
空を渡るあのロープが好きだった
空の写真には電線がいてほしかった
最短距離じゃなくてたゆんでいるところも好きだった

でも電線以前に生きていたとしたら
電線ができたせいで空が狭くなったと思うはず
つまり踏切も電線も愛しているというより
変化することが嫌なだけなんだ

私もそうなれたらいいな
いなくなったら
いたときのほうがよかったなと思ってよ
結局どっちも好きだとしても


20190412 2357




by yasuharakenta | 2019-04-09 23:57 | 詩、歌詞